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PS5『What Comes After(ワットカムズアフター)』 死後の世界の静寂が、あなたの心にそっと触れる物語

公開日: (火)

 株式会社賈船は、横スクロールアドベンチャーゲーム『What Comes After(ワットカムズアフター)』をPS5/PS4向けに2026年7月23日に発売する。PS5版はパッケージ通常版と限定版が用意され、PS4版はダウンロード専売となる。

 『What Comes After』は、心の奥にそっと触れるような物語を描く横スクロールアドベンチャー。主人公は、自分に自信が持てず「誰かの重荷になっている」と感じてしまう少女・ビビ。ある夜、彼女はひょんなことから“死後の世界へ向かう列車”に迷い込んでしまう。

 列車には、人間だけでなく、動物や植物など、かつて生きていたさまざまな魂たちが乗り合わせている。ビビは彼らとの対話を通じて、愛、後悔、生、そして死といった普遍的なテーマに向き合い、自分自身を受け入れるための小さな一歩を踏み出していく。

 本作は『コーヒートーク』の作者モハメド・ファーミと、『Rage in Peace』を手がけたインドネシアのスタジオ Rolling Glory Jam による共同制作。ファーミ氏は生前、「自分を責め続けてしまう人に寄り添う物語を作りたい」と語っており、本作はその想いが色濃く反映された作品となっている。「すべての孤独を抱える人へ宛てたラブレター」と評される本作は、短編ながらも深い余韻を残すストーリーテリングが特徴だ。

 死後の死後の世界へ向かう列車の中では、魂たちがそれぞれの人生を語り、ビビに寄り添うように言葉をかけてくれる。彼らの語りは時にユーモラスで、時に胸に刺さるほど真摯。繊細なアートワークと温かいユーモアが、重いテーマを優しく包み込み、プレイヤーに静かな感動をもたらす。

 ゲームプレイはシンプルな横スクロール形式で、誰でも気軽に物語へ没入できる設計。プレイヤーは列車内を歩き回り、魂たちと会話しながら物語を進めていく。派手なアクションはないが、その分、言葉と空気感が丁寧に積み重ねられ、作品全体が静かな読書体験のような味わいを持っている。

 本作の特徴としては、「自分自身を愛することを学ぶ癒やしの旅路」、「愛とユーモアに満ちた心に響くストーリー」、「生と死の境界を描く美しく繊細なアートワーク」が挙げられる。PS5版では高解像度化されたビジュアルや高速ロードにより、作品の持つ静謐な世界観をより快適に味わえる点も魅力だ。

 また、PS5限定版には「オリジナルサウンドトラックCD」、「アクリルスタンド」、「ピンナップカード」が付属。特にサウンドトラックは、作品の優しい空気感を支える音楽をじっくり楽しめるアイテムとなっている。

What comes after:PS5/PS4 日本アジアエディション

 『What Comes After』が描くのは、派手なドラマでも壮大な冒険でもない。けれど、ビビが列車で出会う魂たちとの対話は、私たちが日々抱え続けている不安や後悔、そして「自分はこの世界にいていいのか」という静かな問いに、そっと寄り添ってくれる。ゲームという枠を超え、まるで短編小説や詩集を読むような体験がそこにはある。

 特に印象的なのは、死後の世界という重い題材を扱いながらも、作品全体が驚くほど優しい空気に包まれている点だ。魂たちの言葉は決して説教じみておらず、むしろ「あなたはあなたのままでいい」と語りかけてくるような温度を持っている。ビビが少しずつ自分を許し、受け入れていく過程は、プレイヤー自身の心にも静かに重なっていく。

 また、モハメド・ファーミが遺した「孤独な人へ向けたラブレター」というテーマは、現代を生きる多くの人に響くものだろう。SNSや日常の忙しさの中で、自分を見失いがちな時代だからこそ、この作品の持つ優しさと静けさは、ひときわ強い意味を持つ。

 短い作品でありながら、プレイ後には胸の奥に温かい余韻が残り、自分の中の何かが少しだけ軽くなる。そんな体験を提供してくれる本作は、ゲームというメディアが持つ可能性を改めて感じさせてくれる一作だ。ビビが見つけた「自分を愛する理由」は、きっとプレイヤーにとっても大切な気づきとなるはず。

(執筆/編集:ゲームのお話)
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