MAGES.(メージス)は本日(2026年8月27日)、PS5/Nintendo Switch用オカルトサスペンスADV『覗怪(しかい)』を今冬に発売すると発表した。あわせてティザームービーと、声優・本多真梨子が怪談「赤い屋根の家」を朗読するムービーも公開されている。
本作は、科学アドベンチャーシリーズのスタッフが手がける完全新作の“非”科学サスペンス。『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』『CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)』などで論理と科学を武器に世界の謎へ挑んできたクリエイター陣が、今回はその対極となる科学では説明できない「怪異」の領域へと踏み込む。
主要スタッフは、企画・原案を北原史尋(科学アドベンチャーシリーズ アートディレクター)、シナリオを安本了(代表作:『STEINS;GATE 0』『CHAOS;CHILD』)、音楽を阿保剛(代表作:『STEINS;GATE』シリーズ、『メモリーズオフ』シリーズ)、作品監修を松原達也(科学アドベンチャーシリーズ プロデューサー)と林直孝(科学アドベンチャーシリーズ シナリオライター)が担当する。
物語の起点となるのは、同社YouTubeで2024年より公開されている怪談「赤い屋根の家」。本作は、この怪談を読んだ現実のプレイヤーが怪異に侵食されていくという構造を採用している。画面越しのエンタメとして触れた怪談が、作中人物だけでなくプレイヤー自身へも忍び寄る……あなたの背後にも、覗き込む何かが開いているかもしれない。
ゲーム内では、「赤い屋根の家」を巡る不可解な出来事、そしてその動画を覗いた者に訪れる怪異が描かれる。赤い屋根の家は「覗いてはならない」とされる奇妙な廃屋であり、視界を塗り潰すような不穏さを放つ。「その怪談を探るものには障りあれ。覗くものに災いあれ。」、この物語全体を貫く呪言のような言葉が、プレイヤーの体験に影を落とす。
公開されたティザームービーは「物理や科学だけでは理解できないものがある」というナレーションから始まり、「赤い屋根の家を読んではいけない」と警告が続く。「消えた少女」「あるはずのない部屋」「忘れられた神様」といった不穏なキーワードが連なり、最後には階段の映像とともに「全ては一つの怪談から始まる」と締めくくられる。
また、怪談「赤い屋根の家」ムービーでは、MAGES.創作怪談の朗読を担当するアミュレート所属の声優・本多真梨子が眼鏡姿で登場。不気味な空気が漂う部屋で、「私の知り合いが子供の頃、ある家で体験したお話です。」と語り始め、視聴者を怪談の世界へと誘う。
『覗怪』は、科学アドベンチャーシリーズが長年磨き上げてきた論理で世界を読み解くという姿勢をあえて手放し、説明不能な怪異へと身を投じる挑戦的な一作だ。古くから語り継がれてきた怪談という形式を、現実のプレイヤーを巻き込む構造へと再解釈し、画面の向こう側とこちら側の境界を静かに溶かしていく手つきは、彼らだからこそ踏み込める新領域と言える。
本作が提示する恐怖は、怪談の再現ではなく、触れてはならないものに触れてしまったという不可逆の感覚そのものだ。理性と科学で世界を理解してきたスタッフが、理解不能な闇へと足を踏み入れる。その構図は、知性が崩れ落ちる瞬間の背徳感を鋭く刺激する。ティザー映像や朗読ムービーに漂う静かな不気味さは、派手な恐怖ではなく、皮膚の下にゆっくりと忍び込むような質感を持つ。赤い屋根の家を覗いた者に何が起きるのか……その問いは、物語の中だけでなく、画面の前に座るあなた自身へ向けられている。
理解できないものを理解しようとする行為そのものが、すでに怪異の領域への侵入なのだとしたら……本作をプレイするという選択は、あなた自身がその階段を降り始めるということなのかもしれない。気づけば背後の空気が重くなり、視界の端がざらつき、説明できない違和感が静かに寄り添う。『覗怪』は、発売前の今でさえ、あなたの周囲に影を落とし始めている。その影がどこまで伸びるのかは、あなたが覗くかどうかにかかっている。